概要
劇中終盤の11月26日午前8時、ゴジラに対抗するため自衛隊、米軍、その他協力組織によって展開された大規模作戦。
ゴジラは体内に「熱核エネルギー変換生体器官」と呼ばれる生体原子炉を持っており、核分裂を起こすことで発生させるエネルギーで生命活動を行う。その際排熱処理は血液による液体冷却で行っているが、もしもこの排熱処理に不全が生じてしまうと生体原子炉が自動的に機能を停止し、ゴジラは全身の体温が急激に低下し、凍り付いてしまう。
このシステムの欠陥を利用し、血液擬固剤を大量にゴジラに注入して凍り付かせようという矢口蘭堂発案の作戦「矢口プラン」を基に里見祐介臨時内閣総理大臣承認の元、実行された。
当初は「巨大不明生物の活動凍結を目的とする血液擬固剤経口投与を主軸とした作戦要綱」という作戦名だったが、長いという理由から「ゴジラ凍結作戦」(子供っぽいという理由でこちらも見送り)を経て日本神話にてスサノオノミコトが八岐大蛇を酔いつぶれさせた「八塩折之酒(やしおりのさけ)」から矢口により命名された。
また後述の「アメノハバキリ」も日本神話でスサノオがオロチ退治に使った十束剣の別名「天羽々斬剣」に由来する。
作戦内容
放射線流の使用によりJR東京駅近辺で休眠状態に入ったゴジラの口からの血液擬固剤投与のために、陽動と無力化に終始している。
1.手始めにN700系新幹線に爆薬を搭載した「無人新幹線爆弾」でゴジラを攻撃して目覚めさせ、後述のビル爆破ポイントにまで誘導。
2.ゴジラの「飛行物体を本能的に例外なくすべて撃ち落とす」という性質を逆手にとって米軍の無人戦闘機RQ-9による空爆を行い、迎撃のための放射火炎を使わせることでエネルギーを消耗・枯渇させる。
3.事前に自衛隊が設置した爆弾と米国海軍のアーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦から発射されたトマホークミサイルで周辺のビルを倒壊させ、ゴジラを下敷きにし動けなくする。
4.ホイールローダー隊が先陣を切って周辺の障害物を撤去し、コンクリートポンプ車隊「アメノハバキリ」と血液擬固剤を搭載したタンクローリー隊:特殊建機第1小隊が動けなくなったゴジラの口から血液擬固剤を投与する。
5.万一ゴジラが暴れ出した際に備え、E231系およびE233系在来線車両に大量の爆薬を搭載した無人在来線爆弾と特殊建機中隊第2小隊、第3小隊が控える。
作戦結果
特殊建機小隊第1小隊の血液擬固剤投与中にゴジラが暴れ出して放射火炎をぶっ放し、同小隊が壊滅するというアクシデントが起こったものの、無人在来線爆弾によって再度ゴジラの動きを封じ、第2、第3小隊が全ての薬剤投与を成功。結果ゴジラの凍結にも成功した。
だがこの作戦によってゴジラの凍結には成功したものの、ゴジラが完全に死亡したのかどうかは不明である(クライマックスで、登場人物が「今後もゴジラを監視し続けていく必要がある」と話していたことから、あくまで仮死状態に陥っているだけで、完全には死亡していない可能性が高い)。
結果的に作戦は成功したものの、ブルーレイディスク特典映像のメイキングで、庵野秀明総監督は、出演者達に「数十人が亡くなっているので、そんなに喜びはしない(意訳)」と指示を出しているため、上記の第1小隊を中心に多数の死者が出たものと思われる。
余談
自爆攻撃用の電車、及びホイールローダーは実在のものだが、コンクリートポンプ車のベースのトラックは架空車である。デザインからして1台目は三菱ふそう・スーパーグレートFU後期型、2台目の青いものはメルセデスベンツ・アクトロス(初代)がそれぞれモデルと思われ、3台目のグリルの穴がとても多いものは完全なオリジナルデザインと思われる。
関連タグ
シン・ゴジラ
ヤシマ作戦(新世紀エヴァンゲリオン):目標への本命攻撃が違う(至近距離からの薬剤投与と遠距離からの高エネルギー狙撃)が、その前段階で消耗覚悟の飽和攻撃を仕掛けるという共通点がある。なお、向こうが平安時代の故事から取られているのに対し、こちらは日本書紀から作戦名が取られている。
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