テニスの4大国際大会の全仏オープン「ローラン・ギャロス」は2023年もやってきます!今年の開催日程は5月の下旬スタートと通常通りですが、開幕を前にビッグニュースが飛び込んできました。メディアが大騒ぎしている理由は、あの、テニス界の帝王ラファエル・ナダルが2023年のローラン・ギャロスで脱落…という内容でした。一体、今彼に何が起こっているのでしょうか?
ローラン・ギャロスは、スポーツベッティングが盛んなヨーロッパでも人気のイベントの一つ。毎年のように全仏オープンオッズは世界から大注目を浴びていますが、2023年の優勝候補であるナダルにネガティブな予想が漂っているとするならば、かなりの一大事です。
ここでは全仏オープンのローラン・ギャロス2023で、ナダルの活躍が期待できないのか?そもそも出場すら危ういのか?そのあたりに迫りながら、解説を進めていきたいと思います。
ナダル:バルセロナオープン欠場を発表
4月14日。テニス界とテニスファンを驚かせるニュースが飛び込んできました。何と、ラファエル・ナダルが4月17日に開催されるスペイン・バルセロナオープンを欠場すると発表しました。
今年の全豪オープンで左股関節を損傷
ラファエル・ナダルといえば、スペインが生んだスーパースター。怪我とは無縁と思われていた彼が、今年1月にオーストラリアのメルボルンで開催された全豪オープンで、左股関節を負傷。以後、テニスツアーから離脱している状態が続いています。かれこれ3か月ほど、テニスの試合から遠ざかっていることになりますね。正直、ちょっと心配です。
今年1月19日の診断では、6週間から8週間の欠場が予想されていましたが、現在13週間まで延びてしまっています。全豪オープンの2回戦に生じた股関節屈筋部のダメージは、予想以上に大きかったようです。
周知のとおり、現在のところ怪我の完治はしておらず、今回のバルセロナオープンの断念を決断したという経緯です。残念ながら、今シーズンで出場できなかったテニス大会は合計で6大会となりました。以下に、ナダルが今季のテニス大会で出場できなかったイベントを挙げてみます。
- ドーハ(2月20日~2月25日)
- ドバイ(2月27日~3月4日)
- インディアンウェルズ(3月8日~3月19日)
- マイアミ(3月22日~4月2日)
- モンテカルロ(4月9日~4月16日)
- バルセロナ(4月17日~23日)
通常ならグランドスラム最初の全豪オープンの後、2番目の全仏オープンに向けて前述の大会をこなしていくのが通常なのですが、ナダルにとって今年は前年度と違う雰囲気で時間が過ぎています。
ナダルは今後の試合について「現時点ではクレーシーズンに向けて復帰を望む」と話しながらも、今回のバルセロナオープンについては「ベストなレベルで試合に出る準備が整っていない」とコメントしています。
至上最多となる15度目の優勝が期待されるローラン・ギャロスについても、それに向けての準備にかなりの支障が出ている様子がうかがえます。全仏オープンオッズにも影響が出そうです。
バルセロナは自分を育ててくれた大切なクラブ
スペイン出身のナダルだけに、今回のバルセロナオープンの辞退については、かなり辛い思いがあったようです。ナダルは、定期的に発信しているツイッターで自身の思いをこのように語っています。
”バルセロナは私にとって特別な場所であり、私を育ててくれた大切なクラブです。、ホームで試合に臨めるからこそ、特別な思いが募ります”
この思いが怪我の回復、そして復帰につながればいいのですが…そう願ってやみません。
前回ローラン・ギャロスの優勝者・ナダルに心配の声も
ナダルといえば、周知のとおりグランドスラムのシングルスで合計22タイトルを獲得した大物テニスプレイヤーです。準優勝を含めると合計30回の決勝進出を経験しており、実名共にテニス界の重鎮的な存在ですよね。
近年のテニス界で最も注目されるナダルが、全仏オープンの前に行われるバルセロナオープンを辞退ということになれば、それに続くローラン・ギャロスも危ういのでは?とメディアが憶測するのは理解できます。ナダルファンにとっては、居ても立っても居られない状況でしょう。
ナダルはクレーの特徴を知り尽くした「クレーの王」
ナダルの功績は、一言では語り切れないほどたくさんありますが、やはりローラン・ギャロスは別格です。この場所では群を抜いて驚異的な成績を収めています。
ローラン・ギャロスは全クレーコートなので、ボールのはずみや距離感は芝やコンクリートとは全く異なります。ナダルはこのクレーの特徴を全て把握していると言われており、だからこそ数々の優勝をものにしているのです。彼を「クレーの王」と呼ぶのもこういった理由からなんですね。
とにかくナダルはクレーシーズンは強いです。実際、10回の大会のうち、9回の優勝を果たしています。
さらに、クレーコートだけに着目すれば、実に66勝1敗と信じられない成績も収めています。だからこそ、ナダルのローラン・ギャロス出場・不出場は大きな関心事になるわけなのです。
例えば、2009年の全仏オープンを振り返ってみましょう。この年、4回戦でスウェーデンのロビン・セーデリングに惜しくも敗れ、無念の一敗を記録してしまいます。クレーコートで無敵だと言われたナダルが、4回戦で負けてしまったのです。以後、この屈辱を果たすべく、ローラン・ギャロスで5連覇という偉業を成し遂げています。まるで、ナダルの気持ちをそのまま結果に表しているかのように、優勝トロフィーを連続で獲得しているんですね。
プロのテニスプレイヤーはもちろん、全てのプロスポーツ選手にとって、怪我は最大の敵。運やマインドが支配すると言われるスランプは乗り越えられても、身体に宿ったダメージを克服するには、時間と忍耐が必要です。
怪我の回復とメンタルの調整がカギ
4月15日の時点では、ナダルがバルセロナオープンを辞退して、怪我の回復を待つというスタンスは変わっていません。身体の負傷とは裏腹に「クレーの王」としては全仏オープン出場への意気込みも変わっていないようです。
現時点では「最高のパフォーマンスをする準備ができていない」ということですが、5月28日の開幕までどのように調整を行っていくのかはわかっていません。ローラン・ギャロスがテニスファンで埋めつくされる日まで1カ月ちょっとありますが、怪我の回復とメンタルの調整が「出場決定」と「優勝」の鍵と言えるでしょう。今から、全仏オープンオッズが気になります。
まとめ:ナダル、ローランギャロスで復活?!
ナダルはスペイン・バレンシア諸島州マナコル出身の36歳。世界ランキング15位の実力は、それ以上だとも豪語されており、パワフルで真似のできないパフォーマンスが光ります。185cmという長身から振りかざされるサーブ、左腕に込められた強烈なスマッシュが全仏オープンで再び開花して欲しいと願うばかりです。
1891年にフランス選手権としてスタートしたローランギャロスですが、2023年の全仏オープンで、期待のナダルは出場できるのでしょうか?それとも、辞退してしまうのでしょうか?
5月28日に開幕されるその日まで「ナダル出場決定!」の声に耳を傾けたいところです。やはり異彩を放つチャンピオンの姿を花のローラン・ギャロスで拝見したいですよね。当初の治療が延び延びになっていることを考えると、フレンチオープンへの出場も危ういのかも?と思うところもありますが、今後のスポーツニュースに注目して結果を待ちましょう。